こんにちは。tnkです。

以前のブログで「JP1/NETM」について紹介しましたが、その後も運用支援業務にてJP1シリーズを弄る機会が増えています。中でも最近よく使用するのが、「JP1/NNMi(Network Node Manager i)」「JP1/SSO(SNMP System Observer)」、それから「JP1/IM(Integrated Management)」です。

前二者は、以前紹介したJP1の役割別の分類で言うと「ネットワーク管理」に当たり、最後のIMは名前の通り「統合管理」に当たります。(”Intelligent Monitoring”もIMじゃないか、とか言われると面倒くさいですね。)

これです。まあ、とにかく全部インテリジェントなのでした。

JP1 によるネットワーク管理

「JP1/NNMi」はネットワーク全体をビジュアルなマップで集中管理できる製品です。サーバでもルーターでもスイッチでも、業界標準のSNMPに対応している機器ならベンダーを問わず管理できます。ネットワーク障害が発生した際に、どこの機器でどんな異常が発生しているのかを素早く把握できるので、障害対応時には大活躍しています。また「JP1/SSO」もこれと連携して動作し、リソースやアプリケーションの正常・異常が素早く把握できるようになっています。

さらに、監視サーバ上では「JP1/IM」を常時立ち上げており、上記ツールと連携してエラー検知を行っています。監視体制は万全です。

「新規サーバをリリースするので監視対象に登録してください」との依頼があれば、「JP1/NNMi」および「JP1/IM」へ対象サーバを、要望の検知条件で登録していくことになります。サーバの場合は主にCPU、メモリ、ディスクの使用率、プロセスの監視、イベントログの監視です。

ところで「SNMP」ってなんだっけ、となった皆さんのために「SNMP」について勉強しようと思った次第で本記事のタイトルは「ネットワーク管理(JP1&SNMP)編」としました。JP1シリーズだけを主題にするには私のインテリジェンスというかエクスペリエンスが足りませんでした。

SNMP

SMAPではありません。よく見てください。そんなに発音しやすい用語ではありません。私は口頭でこの用語をスムーズに発音できた例がありません。えすえぬえn…。

また、私は略語を見ると何の略なのか気になってしまうので、調べるまで落ち着くことができません。「IM」と言われても、”It’s Money”なのか”It’s Mine!”なのか、”Integrated Management” なのか“Intelligent Monitoring”なのか、わからないですから。ではSNMPは何の略か。

“Simple Network Management Protocol”(簡易ネットワーク管理プロトコル)。IPネットワーク上の機器を監視・制御するためのプロトコル(規格、ルール)です。

SNMPは管理する側の「SNMPマネージャー」と、管理される側の「SNMPエージェント」で構成されます。私の環境では「JP1/NNMi」がSNMPマネージャーになります。SNMPマネージャーはエージェントに対する情報の要求や監視などを行い、SNMPエージェントはその要求への応答、状態変化時の通知を行います。要求と応答の動きを「ポーリング」と言い、エージェントが自発的に状態変化を通知する動きは「トラップ」と言います。

ちなみに、SNMPによる遠隔からの管理に対応したスイッチ(SNMPエージェントとして機能するスイッチ)は、「インテリジェントハブ」とか「インテリジェントスイッチ」と呼ばれるものです。またもやインテリジェントですか。

SNMPでは機器の状態に関する情報を「MIB(Management Information Base)」と呼ばれるデータベースで管理しています。(読み方は「ミブ」。語尾をやや上げて、頼れる男を敬意をこめて「アニキ」と呼ぶときの、あるいはアントニオ猪木さんを「イノキサン」と呼ぶときのあのイントネーションです。)MIBはSNMPエージェントが内部に持っています。

SNMPがアクセスするときには、MIBで定義されている構文(Object ID=OID)で記述します。MIBの情報はツリー構造になっており、情報の1つ1つをオブジェクト(Object)と言いますが、目的のオブジェクトをMIBツリー上の階層パスで示したものがOID(Object ID)です。下の図で言うと、オブジェクトの「directory」は「iso→org→dod→internet→directory」と辿るので、「directory」のOIDは「1.3.6.1.1」です。

SNMPマネージャーとSNMPエージェントでのやり取りに使われるSNMPメッセージは、たったの5つです。シンプルイズベスト。

GetRequest:SNMPエージェントから指定のOIDに対応した情報を要求
GetNextRequest:直前に指定したOIDの次のOIDに対応した情報を要求
SetRequest:SNMPエージェントの指定のOIDに対応した情報の設定変更を要求
GetResponse:SNMPマネージャーからの要求に対して応答
Trap:SNMPエージェントが機器の状態に変化があった場合に通知

バージョンによっては別のメッセージもあるようです。

今回は以上、JP1の監視ツールとSNMPの初歩的な部分をご紹介しました。また深掘りする機会があれば研究してみたいと思います。

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tnk

2018年よりITの仕事を始める。Windows関連の運用と構築を経験する傍らLinuxも勉強中。 中野区在住。好きな動物はカルガモ。 日に浴していたいと願いながらも室内で仕事をしています。 技術情報も載せていけたらと思います。

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